藤山家においでよ

藤山家ってこんなとこです。

泣いているそらさんとお別れした後、私たちはデートをする。

 

昨日そらさんを山梨まで送って行った。

先週は「バイビー!」と言いながらさっさとどこかへ行ってしまったし、平日の夜にかかってくるTELも木曜日は全く泣いていなくて、夫婦で「すごじゃん!」と喜んでいた。

 

木曜日のTELは「泣いていない」どころの話じゃなく、なんだか面白いことがあったらしくて「笑っちゃって話せない」の状態だった。

 

そ「ママぁ。」

 

ゆ「うん。そらちゃん?」

 

そ「そらちゃん泣いてない。」

 

得意げに始まったその会話は、そらさんの「おかしくて思わず吹き出しちゃう」に変わったいく。

 

そ「なんかね、あははは、Bちゃんがね、ぶははは!○✖▽♂♀凸とか言ってね、あはははは!」

 

思わずこっちも笑っちゃうくらいに大笑いなそらさん。

 

ゆ「あははは!なに言ってるか全然わかんない!あははは!」

 

TELを切る時もめっちゃあっさり。

 

そ「じゃあね。ママ、おやすみー!」

 

ガチャ。

 

 

やっと…

やっとだ…

 

こんな風にTELを切れるようになったんだー!と喜びましたとも。

 

で、昨日。

 

そ「そらちゃん…学校行きたくない…」

 

朝から超絶ブルーなそらさん。

 

おいおい。

 

あの大笑いのTELはなんだったんだよ。

あの「バイビー!」は空耳でしたか?

 

そ「もし2年生になってもまだ淋しかったら…学校辞めてもいい?」

 

玄関で靴を履きながら涙を流してそんなことを言うそらさん。

 

おいおい…

「学校楽しい!」って言ってたじゃんよー…

 

学校でバイバイするときも「行かないで…」と言いながら抱き着く。

 

私と亮一さんの胸がちくんと痛む。

 

り「そらー。すぐだよー。すぐ金曜日になるよー。それに行っちゃえば楽しくなるよー。」

 

亮一さんはそらさんを抱きしめながら優しく言う。

 

そ「うぅ…うん。わかった…。行ってきます…。」

 

泣きながらコクンと頷き自分のプロジェクトのお部屋に入っていくそらさん。

その姿はなんだかとても健気でグッと胸が詰まった。

 

 

ゆ「さ!行こう行こう!」

 

 

そんな時、私はすぐに気分を変えるようにしています。

だってここで感傷に浸ったらそらさんに失礼だと思うから。

 

あの子はあの子でいつかは超えなきゃならない(と思う)“何か”に向き合ってるんだし、「わかった」と頷いてちゃんとお部屋に入っていったんだから。

 

私も「私を楽しむ」をやろーっと!と気持ちをクイっと変えるのです。

 

見る人が見たらとっても薄情に見えるんだろうね。

でもいいの。

 

それが私が思う「信頼」や「愛情」だと思ってるから。

 

 

り「そうだね。行こう行こう!」

 

 

亮一さんも少し痛んだ胸をそのままにしながら同意して進むのです。

 

そして私たちはそらさんの泣き顔を脳裏に焼き付けたまま、山梨県デートに行きました。

 

昇仙峡のロープウェイに乗り、展望台やもっと上の岩の頂上まで。

(弥三郎岳だっけ?結構急な岩でびっくらした!)

 

↓こんな感じ。

www.shousenkyo-r.jp

 

 

f:id:yukiukix:20180710100826j:plain

 

すごい高いの!!

 

f:id:yukiukix:20180710100849j:plain

 

すごかった!!

 

 

「お腹空いたねー」

 

二人で言い合いながらロープウェイで下まで降りる。

下まで降りるとゴハン屋さんもそこそこある観光スポット。

 

ほうとうでも食べましょうかね。」

 

こういう時、亮一さんの「美味しい物センサー」がとても働くことを私は知っている。

この嗅覚たるやほんとにすごいのです。

 

なんとなくピンとくる場所が無く、目についた『夫婦木宮』という神社に立ち寄りたくなり「行こう!」と亮一さんを誘う。

 

ゆ「商売繁盛だって!行こう行こう!」

 

り「何を繁盛させるって言うんだよぉ。」

 

ゆ「何かわかんないけど繁盛するのはいいことでしょ?」

 

り「そうだな!しかも『夫婦』だしな!」

 

ゆ「うんうん!そうだよ!」

 

いつも通りのくだらないやりとり。笑

 

 

夫婦木神社ここね↓

夫婦木神社 姫の宮 | 昇仙峡観光協会

 

 

無事にお参りを済ませると、亮一さんが「なんだこれ?」と壁に貼ってあるチラシに目をやる。

 

版画が印刷され、文字は手書き文字のなんだか素敵なチラシ。

 

ほうとう そば 山菜料理 藤原庵』

 

おぉ!

なんだか面白そう。

 

り「ん?ちょっと車で走るんだなぁ…」

 

亮一さんがチラシに書いてある地図を見ながらぶつぶつと言う。

 

もう一度チラシに目をやると

 

『おもてなしは自然です』

 

と書いてある。

 

なんと素敵な。

 

 

その時、仙人のようなヒゲを蓄えた神主さんがぬっと出てきました。

 

ゆ「お邪魔してます。」

 

会釈をしながら挨拶をする。

 

り「あの…あそこのチラシのお店って…」

 

亮一さんが少し躊躇して『藤原庵』について尋ねた。

私は心の中で「おいおい。あんな仙人みたいな人によくきけるな」とツッコミを軽く入れていた。笑

 

 

仙人「え?藤原庵?美味しいよ!美味しいけど、こっからちょっとあるよ。車で…20分くらいかなー」

 

仙人は思ったよりも気さくな対応でちょっと笑ってしまう。

 

り「20分ですかー。でも…美味しいんですよね?」

 

仙人「うん。美味いよ。面白いから行ってみるといいよ。行く道も渓谷でいいよ。

ドライブがてら行っといで。」

 

 

『ドライブがてら行っといで』

 

その言葉に二人でやられました。

 

クネクネした気持ちよい道を進み行ってきました『藤原庵』。

 

こんなところにお店が?!と思う様な場所にありました。

f:id:yukiukix:20180710103512j:plain

 

店主さんは気さくなおじさんでとても好感がもてる方。

店主のおじさんのおすすめの通りに注文しました。

 

それがこれ。

f:id:yukiukix:20180710103737j:plain

 

山菜盛り合わせ!!

 

んもーーこれがほんとに絶品でね!

全部そのおじさんが採ってきて下処理をして、山菜それぞれの特徴が出るように調理しているんだって!!

 

こーーんな美味い山菜食べたの初めて!っていうくらい感動的だった。

亮一さんも「こんなの初めてだ!美味い!」を連発。

私も「うまーーい!すんごい美味い!」とずっと言ってました。

 

そしてこれ。

f:id:yukiukix:20180710104044j:plain

 

ほうとう!!

 

麺はおじさんの手打ちで味噌も自家製。

入ってる野菜もほとんどがおじさんが作ったもの。

これまたすこぶる美味いのです。

 

f:id:yukiukix:20180710104209j:plain

 

夢中で食べてたから写真撮るの忘れてて…

食べかけですません…

 

そばもおじさんの手打ち。

こっれっもマジで美味い。

 

「ちょっと…このおじさん何者なの?!」

 

と何度もつぶやいたくらいすごかった。

 

お店の縁側のところにはビン詰めされたはちみつやフキ味噌や生山椒一味や梅干しや大きな梅が漬けられてる梅酒やイチゴジャムやらが並んでいて売っていたりします。

それらもほとんど全ておじさんがやっていると言うからマジで驚く。

 

おじさんは私たちが絶賛していることが嬉しかったみたいで「これも食べてみる?」「これも美味しいよ」といろんな試食をさせてくれました。

 

私はあまりにも感動して「またすぐ来ます!欲しい物もまだたくさんあるし!」と言いました。

そしたらさ、このおじさんの返事がまたよかったのよね。

 

おじ「うん。…まぁあんまり頻繁に来すぎると飽きるからね。一年に…一回か二回くらいがちょうどいいんじゃない?ははは!」

 

えぇ?!

そんなこと言う?!

ウケる!!

 

普通さ、「たくさん来て!」って言わない?

だってお店でしょ?!

 

おじ「あんまり頻繁に来るとパタッと来なくなっちゃうことがあるからさー。一年に数回って人でもう20年来の付き合いの人が何人もいるんだよ。そういう方がいいでしょ?」

 

おじさんはこの場所でもう30年やっているそうです。

私はその話をきいて「…なるほど」と思ったし、そう言えるこのおじさんを益々すごい!と感じた。

 

 

なんどもお礼を言い、おじさんも「ほんとにありがとう!」とお礼を言ってくれてお店を後にしました。

 

「いい店だったなー」

 

帰りの車で何度も二人でそう言い合う。

そして思う。

 

「すごい人っていろんなところにひょこっといるもんなんだねー」

 

きっとおじさんは当たり前にやっていることなんだろうな。

もう長年やってることだし。

でもそこにはほんっとにたくさんの知恵や経験や想いが含まれているんだ。

だってほんっとに細胞に染み渡るような味だったもん。

 

 

 

「行かないで…」と泣きながら抱き着いてきたそらさんを置いて、私たちはデートをした。

ちょこちょこと過るその泣き顔を頭と胸の片隅に置きながら、二人の時間を楽しむ。

そこには罪悪感のかけらもない。

罪悪感のかけらもないことに罪悪感をもってみたりしている自分の滑稽さが笑えたりして。

 

ゆ「謳歌してますねー。」

 

り「そうだなー。」

 

これからのことなんてマジで一かけらもわからない二人がそこはかとなく湧いてくる不安をちょっとどけて「今」を楽しむ。

 

そんな時「ああー。ほんとに“今”の積みかさねでしかないんだなー」なんてひしひしと感じたりする。

 

そして「あー。ほんとに人生って壮大な(ように感じる)暇つぶしなんだなー」と思う。

 

どうせなら楽しく暇つぶししよう。

しかも本気で。

 

 

 

今日も私はこうやって「お金にもならない」文章をあーだこーだ言いながら書く。

 

 

楽しく真剣な「私の暇つぶし人生」は今日も順調です。

 

 

ではまた。