藤山家においでよ

藤山家ってこんなとこです。

私のコト㉛

みなさんこんにちわー!

 

未だそらさん幼稚園行けず…

でもやっと食欲が出てきて、ケラケラと笑うようになってきましたー

いやー

辛そうで辛そうで…

私達もここ数日見てるのが辛かったよー(;_;)

今はくしゃみ連発、鼻水ズルーーで、体内にいるウイルスを排出しようとしております!

人間の身体ってすごいなぁ~…

今そらさんの身体の中では何がおこっているんだろう?

こういう出来事があると、人間の“思考”ってのはとことん意味がないんだなぁ…と思ってしまうのです。

思考とは関係なく、勝手に回復しようと“何か”が働いてるんだよね。

不思議だなぁ…

 

そんなことも今後ボチボチ書いていきたいなーー

でも今は!

この自叙伝を書き終えたい!ちゃんと書き終えたい!と何故か思っているので

読んでいる人がいてもいなくても書き上げるんだー

もしよろしければお付き合いくださいね。

 

さて。

メラメラと自分の中にある闘志が湧きあがってきた小娘ゆっきぃ。

『絶対負けない!』『絶対一番になって先輩たちを何も言えないようにしてやる!』

そんなことを思い始めていました。

 

そうなるにはどうしたらいい?

 

うん。

 

まずは冷静に先輩達の仕事っぷりを観察することだ。

ママの接客をちゃんと観察することだ。

 

そして、男性が何を求めてこういうお店に足を運ぶのかを知る事だ。

 

私はメラメラな闘志がバレないように、先輩達から嫌われないように、ママから可愛がられるように勤め、観察を開始しました。

 

『人気のあるホステスさんってどんなだろう?』

『こういうお店でうまく立ち回るコツってなんだろう?』

 

お店で接客している間私は観察しまくりました。

早く盗みたい。

早く知りたい。

早く結果を出したい。

その一心です。

 

そんな周年パーティー数日前のとある日、1人の男性がお店にやってきました。

 

ほんとにフラッと。

“フラッとお店に現れた”という表現がピッタリくる男性。

年の頃は50代半ば。

細身の身体にラフな服装。

デニムにシャツ。

当時のギバちゃん(柳葉敏郎さん)のような髪型。

なかなかに整った顔。

その男性は一人でフラッとお店に入ってきました。

 

「おー!りおー!久しぶりやなぁ~。頑張ってるみたいやんかぁ~」

ニコニコ優しい口調。

「やーーー!Tちゃんやないのぉーー!全然来てくれへんのんやからぁーー!

何をやってたん!もうーー!」

ママはほんとに嬉しそうにその男性に駆け寄る。

 

(このお客さんは絶対逃したくない人なんだ。)

私はすぐにそう思った。

 

ボックス席が空いているのにあえてそのお客さんはカウンターを選ぶ。

「ここでええねん。すぐ帰るからなぁ~」

 

すぐ帰る??

 

こういうお店に来てすぐに帰る人はそうそういない。

なにせ座っただけで1万円以上取られるわけだから。

これはなかなかいないお客さんだ。

(よく観察しよう。)

私は興味深々にそのお客様を観察し始めた。

 

「またっ!Tちゃんはいつもすぐ帰るっていうんやからっ!帰さへんからなぁ!」

ママはドスンとTさんをカウンター席に座らせ、自分も隣りにピッタリと座った。

「ゆきえちゃん!Tちゃんの横座らせてもらい!帰したらあかんでー!」

と私をTさんの隣に座らせた。

「Tちゃん!新しい女の子。ゆきえちゃん。可愛らしいやろ?!」

「はじめまして!ゆきえです。よろしくお願いします!」

「おー!可愛らしいやないの。よろしくねー。ま、あんまり来ぃへんけどなぁ。わはははは!」

「ちょっとーー!Tちゃん!なんつーコト言うん?!」

 

このTさん。

ママとは昔からのお付き合いらしい。

ママが最初に勤めたクラブのお客さんで、その当時からよく一緒に飲んでいた仲。

まだTさんもきっと若かった時だろう。

でも…

その若い当時からクラブで飲んでいた…

てことは相当なお金持ちっ?!

何をやっている人だろう?

 

「ゆきえちゃん。Tちゃんとはもうながーい付き合いなんよー!

まだ私がクラブに働きはじめたばっかりの頃からTちゃんはミナミで有名人でなぁ。

私も駆け出しだったから、その当時は話しかけるコトすらできひんかったんよぉ。

みんなTちゃんのコト狙ってたから、下手に話しかけたら先輩に怒られたんよ。」

 

「よっく言うわぁ~。ゆきえちゃん。そんなん嘘やでぇ~。あははは。」

 

これは絶対ほんとだ。

このTさん。

すごい人なんだ。

この人に気に入られればミナミのコトをよく知れるはず。

そしてホステスという仕事のコトもたくさん教えてくれるはずだ。

ママでもお店によぶことができないこの人とつながって

同伴出勤でもできれば、きっとママも喜ぶ。

 

「なぁTちゃん。ちょっと相談乗ってやぁ~」

「でた!りお!なんで飲みに来たのにお前の相談のらなあかんねん!

ゆきえちゃん~こいついつもこうやねんでぇ~

でな、俺はどこ行っても相談もちかけられんねん。あははは。

いやぁ~たまには癒されたい!」

 

Tさんはボヤきながらもまんざらでもなさそう。

きっと相談を持ち掛けられるのも嬉しかったりするんだろう。

 

ほんとにどこでも相談をもちかけられるのかなぁ…

いったい何軒くらいのお店に顔を出せる人なんだろう?

 

どんどんTさんへの興味が湧いてきました。

 

「ちょっとTちゃん!いいかげん携帯番号教えやー!絶対教えてくれへんねんもん!」

「しゃーないやろー!携帯もってへんねんからーー!」

「ずっとそうい言ってるけどほんまなんかっ?!」

「ほんまやって!持ってたらめんどくさいことになるからなぁ。あははは。」

 

え?!

この人携帯持ってないの?!

うそっ?!

 

当時はもうすでにみんな携帯かPHSを持ち歩いていました。

とくにこういう場所に飲みに来る方は社長さんや大きな会社の重役クラス。

持っていなければお仕事に支障がでます。

 

そして私達ホステスはその携帯でお仕事をします。

 

お客さんからTEL番号を教えて頂き、次の日にはさっそくTELをかけます。

そして同伴出勤のお約束を頂いたり、お店に来ていただくきっかけをつくるのです。

 

その携帯を持っていない?!

唯一繋がれるツールを持っていない…

 

どうしよう…

どうしたらTさんとつながりが持てるのか…

 

そんな時、お客さんがお店に入ってきました。

常連さんが4名。

ママは急いで席を立ちます。

「Tちゃん!!私が帰ってくるまで待っててや!!ゆきえちゃん!Tちゃんを帰したらあかんで!!」

「はいっ!!わかりましたっ!!」

「もうええからはよ行けやぁ。お客さんが待ってるでぇ。」

 

チャンス到来。

 

絶対にTさんとつながりを持ってやる!

 

そうだ。

 

「Tさん。今度お食事に連れて行ってください!ねっ!お願いしますよぉ~」

「おっ!ゆきえちゃん!そんなコト言ってくれるん~?嬉しいわぁ~今度な!今度!」

 

完璧にあしらわれてる。

くやしい。

 

「私この仕事始めてからまだ誰にも自分からTEL番号教えたコトないんです。

でもTさんには教えちゃいます!初めての方ですよ!Tさんが初めて!はいっ!どうぞ!」

「えぇっ!そうなん?うーん…そうか。ありがとうな。」

「だからっ!絶対にTELくださいよ!絶対ですよ!」

「わかったわかった!連絡するよ。ありがとうな。ほんなら行くわー」

「いやいやいやいや。困りますう。ママから怒られちゃいますう。」

「いや、でももう行かなあかんねんって。連絡するから!」

 

ママは帰ろうとするTさんを見て、他の席からとんできます。

「Tちゃん!帰るん?!もうっ!また絶対来てや!ほんまやで!」

「はいよーー」

 

フラッと来てフラッと帰っていったTさん。

 

私を軽くあしらったTさん。

 

自分から連絡先を渡したのも、あんなに連絡をくれと言ったのも初めて。

Tさんとつながれば絶対にこの世界のコトを知る事ができると思ったから。

Tさんに可愛がられるようになれば、一気にホステスとしての“格”が上がるのではないかと思ったから。

 

絶対連絡ちょうだいよーー!!

 

私はこの日からTさんの連絡を待つようになる。

自分から連絡がとれないもどかしさを感じながら。

 

 

さてさて。

急にあらわれたTさん。

 

連絡くれるのか?

つながれるのか?

 

こうご期待~

 

つーづーくー