藤山家においでよ

横浜のパワースポットと化した藤山家。施術、お料理、お話し会などを通じて『幸せに生きる』を実験、研究しています。

私のコト59

連投失礼します!

 

自叙伝の続きいっちゃうよー!!

 

 

NさんとKさんに『高知県旅行』を提案された小娘ゆっきぃ。

嬉しくなってすぐに『行く!』と返事をしてしまう。

Tさんになんて言うか?

嘘をつきとおすことはできるか?

考えをめぐらせる。

 

 

Tさんには『実家に帰る』と言うことにした。

それ以外思いつかない。

でも実家とは疎遠だといういうことをTさんは知っている。

どうしよう。

ちゃんと辻褄が合うかなあ。

 

もしバレたらバレた時だ。

 

言ってみよう!!

 

NさんとKさんに高知旅行の提案をされてからすぐに

私はママに休みを申し出た。

 

金曜日の朝出発。

結構朝早くの飛行機だ。

なので木曜日から休みをとることにした。

 

ママはかなり嫌な顔をして、嫌味を言った。

 

「ゆきえちゃんが休むのはほんとに困るんや。それにまだ経験も浅い子がそんなに休むなんて…。私がホステス始めた頃にはそんなん考えられへんかったわぁ…なんちゃらかんちゃら…」

 

「すいません。実家の両親がどうしても帰って来いといってるんで…」

 

この言葉を出されたらもう引くしかない。

 

「まぁ…しょうがないわなぁ…でもな、なんちゃらかんちゃら~…」

 

結構長く嫌味は続いた。

でも、それだけ休まれると困ると思ってくれているんだろう。

 

なんとかママから了承を得られた。

 

よし!

次はTさんだ。

 

それから数日後、私は意を決してTさんに話した。

 

「あんな、なかなか言い出せへんかってんけどな、〇日からお店休んで実家に帰ろう思ってんねん。」

 

どうだ!

すんごく自然に言えたはず!

どうだTさん!

 

「え?実家に?ゆきえさんから連絡とったん?」

 

Tさんがびっくりした顔で聞いた。

 

「うん。連絡とってみたんや。で、帰って来いって言われたから一回帰ろうかなぁ思ってな。」

「え?ずっと?ずっと実家に行くの?」

 

お?

そういう心配がでたか。

 

「違う違う!木曜日の夜から帰って、日曜日には戻ってくるで。」

「あーびっくりした。もう実家に帰るって話しかと思った!戻ってくるねんな?」

「もちろん!戻ってくるにきまってるやん!ええやろ?行ってきてもええやろ?」

 

私は『なんでTさんに了承を得なきゃいけないんだ!』と思いながらも

確認していた。『ええやろ?』と。

 

「ええに決まってるやんか!ご両親喜ぶと思うわぁ。絶対ゆきえのこと心配してるもんなぁ…。ええことやでぇ。よかったよかった!行っといで。」

 

やった!!

大成功!!

すごく喜んでる姿を見ると少し胸が痛いけど…

でもいいや!

こりゃうまくいった!

 

「ありがとう!じゃ行ってくるわ。」

「木曜日の夜出るん?」

「うん。まぁ最終の新幹線でもいいし、まだ決めてないねん。」

 

Tさんが『駅まで送る』と言い出さないように願いながら話しを進める。

 

NさんKさん愛美さんとは、金曜日の朝伊丹空港で待ち合わせ。

家から伊丹空港まで少し距離があるので前日の夜から出かけて、

伊丹空港近くのスーパー銭湯かなんかで泊まるつもりでいた。

 

送るって言うなよ~

ギリギリまで一緒にいるって言うなよぉ~

 

「木曜日の夜からかぁ~…。じゃ、俺も…」

 

言うなよ!言うなよ!

 

「じゃ、俺も娘のとこ帰ろうかな。木曜日の朝から。」

 

やったーーー!

なんか賭けに勝った気分だ。

 

「そう?娘さんTさんと何日間か一緒にいられて喜ぶだろうね。」

「そうやな~。俺はゆきえさんと何日間か離れるの寂しいけどなぁ。」

「私も寂しいよ。ごめんやで。」

 

嘘。

まったく寂しくなんかない。

 

「あ!イクラどうする?」

 

このブログではまだ触れたコトがなかったけど、この当時私は

『イクラ』とい名前の猫を飼っていた。

 

「イクラの餌とトイレ掃除だけしに来ようか?」

 

Tさんはイクラと大の仲良し。

すごく可愛がってくれます。

 

「ほんと?お願いしてもいい?」

 

Tさんが来てくれなければペットホテルに預けようと思っていた。

そう言ってくれてラッキー♪

 

「ええで!まかしとき!じゃ、金曜日と土曜日、どっちもくるからなー。

なぁ、イクラ~♡」

 

なんとか疑われず話が良いように進んだ。

 

はぁ~…

よかった…

 

あとは当日まで変に勘ぐられないように過ごすだけだ。

 

 

Tさんはそれから木曜日までの毎日、私の両親や家族のことをたくさん聞いてきた。

 

「ゆきえさんの家族はどんな人たちなのかなぁ~♪ゆきえさんのご両親はきっと優しいんだろうなぁ。ほんとは会ってみたいんやでー。」

 

よくこう言っていた。

本気で実家に帰ると信じている。

 

やっぱり少しだけ胸が痛い。

 

 

そして木曜日の朝。

Tさんは『気を付けて帰るんやで。ちゃんと日曜日には戻ってきてやー!』と優しく言いながら部屋を出て行った。

 

私はずっと落ち着かなかった。

Tさんがまた急にお部屋に戻ってきたらどうしよう。

戻って来たって大丈夫なのに、すごく落ち着かなかった。

 

荷造りを終える。

もういつでも出かけられる状態になるとますます落ち着かなくなった。

 

もうこの部屋にはいられない。

イクラに『行ってくるね』の挨拶をして、部屋を出ようとする。

 

あ。

そうだ。

 

明日Tさんはこの部屋に来る。

置手紙を書いて置いておいたらきっと喜ぶだろう。

 

私はノートを一枚やぶり、置手紙を書いた。

 

『さびいしいだろうけど待っててね。少しだけ親孝行してきます。

いってきまーす♡』

 

これで完璧だ。

 

部屋を出て伊丹空港近くまで向かう。

 

電車の中、私はやっぱり落ち着かなかった。

 

これからの旅への期待と、Tさんへの背徳感、そしてバレないか?の不安が入り混じったなんともいえない気持ちだった。

 

その落ち着かない気持ちを引きずりながら、なんとか見つけた伊丹空港近くのスーパー銭湯健康ランド?に辿り着いた。

 

結構古めな建物。

中にカプセルホテルも常設されている。

女性専用ブースもある。

 

今日はここのカプセルホテルに泊まろう。

カプセルホテルは初めての経験。

 

古めな建物独特の天井の低さとありがちな暗さに、ワクワクしながらも

私の落ち着きのなさはエスカレートしていく。

 

まだ夕方だ。

 

まだまだ夜は長い。

 

私はお風呂にゆっくりつかり、マッサージを受け、そしてお食事処で酒を飲んだ。

 

だんだんと不安が増してくる。

自分のやっていることの不誠実さが身に沁みてくる。

 

あぁ…

私はなにがしたいのだろう…

 

暗い、天井の低い健康ランド

一人、ダサい館内着を着て美味しくもないツマミを食べビールを飲む。

 

どんどん募る切なさ。

酒がまわるごとに孤独と不安が増す。

 

もうこのループから逃れられず、どんどん酒を飲む。

 

もう寝る場所に行こう。

せまいカプセルの中で一人うずくまってテレビをみよう。

 

そう決めるとフラフラと寝床に向かった。

 

せまいカプセルの中、ジッとテレビを見る。

 

しばらくすると私は電話をかけた。

Tさんにだ。

どうしてかけてしまったのか。

自分でもわからず気付いたらかけていた。

 

思ったとおり留守番電話につながった。

酔っぱらってメッセージを入れる。

 

『Tさん?ゆきえだよ。これから新幹線に乗るよ。最終になっちゃった。

日曜日には必ず帰るからね。いってきます。』

 

メッセージを入れたら少し落ちついた。

 

またしばらくテレビを見て、眠りについたのは結局深夜だった。

 

せっかくだ。

明日からの旅行は楽しもう。

 

独り言をつぶやいて眠りについた。

 

 

さあ。

 

高知旅行です!

 

どんな旅になるか?

 

もしよかったら次回も読んでね。

 

つーづーくー