そらさんまだまだ絶賛夏休み中。
私のお誕生日の日のタコパ。あ!向こう側に亮一さんの足が見える!!
南アルプスこどもの村学校の新学期は9月3日から始まります。
この夏休みはガッツリ家にいるのかーと肚をくくってた私。
地元の小学校には『学童』や『キッズ』という、放課後のお預かり&長期休暇時の預かりがあります。
がー…、私立、しかも県外の小学校に行ってしまったそらさんには無縁だ…
長い夏休み、なんとかしなくては…と思っておりました。
が!しかし!!
しかしですね!
8月の頭に急展開が!!
近所の保育園で一緒だった仲良しのお友達のお家に遊びに行った際、そこのママさんが素晴らしい言葉をかけてくれたんです。
「キッズなら他の小学校行ってても大丈夫なんじゃないかなぁ?家の子も行かせてるし、そらちゃん来てくれたら喜ぶと思うなぁ。一回連絡してみたら?TEL番教えとくね。えーと…」
なんと!!
他の小学校に行ってても長期休暇中夕方まで預かってくれるかもですって?!
しかも保育園が一緒だった子も幼稚園が一緒だった子もたくさん来てるですって?!
ハナから諦めていた私たち夫婦にとって、それはすんばらしい朗報でした。
3日後、ドキドキしながらキッズにTEL。
「あー大丈夫ですよー。一回見学に来てください。申込書渡しますねぇー。」
…あ…
…あっさりオッケーだった…
今まで私は何をやっていたんだろうか…
そらさんは地元のお友達と遊べるのが嬉しくて嬉しくて
「ねぇ?キッズ行ける?行けるの?」
と何度も何度も聞いてきます。
「うん。行っていいって!よかったね!」
私がそう言うと
「やったーーーー!!いつ?明日?明日から?」
とすぐに行く気満々。
私が保育園のお仕事があったので、見学はパパと一緒に行ってもらいました。
亮一さんいわく、「すごく親切で良かったよー。」とのこと。
亮一さんが頂いてきた資料を読むと『キッズ』とは株式会社が運営する「子育て支援企業」だそうです。
「遊びの場」と「生活の場」を兼ね揃えた安全で快適な放課後&長期休暇中の居場所を提供することを目的にしているそうです。
なんと素敵な!!
そしてなんと!午後5時までなら無料なの!!すげーー!!
申込書に記入をして、さっそく次の日から利用させていただきました。
初日の朝は書類を持っていくために私が小学校までついていきました。
家から徒歩だいたい5分。
そんなに難しい道でもないし割とすぐ。
子どもの足だと…まぁ10分もかからないと思う場所に小学校があります。
みんな送り迎え無しで学校まで行って帰って来るそうなんですが…
藤山家はそらさんをまだ一度も一人でどこかに行かせたことがないのです!!
学校だって送り迎えでしょ?
どこかに出かけるのだってまだまだ一緒でしょ?
そんな近所の小学校だってまだ一人で行ったことがないんです。
「一人で帰れますか?」
キッズの職員の方が優しく聞いてくる。
「んーー…」
言い淀む私。
そらさんは「もうそらちゃん一人で行って帰って来られるよー!ほんとだよ!」と言っていた。
亮一さんも「そらはもう一人で帰って来られるよ。昨日先に歩かせたら完璧だったもん。」と言う。
んーー…
まだ心配で手放せない私。
こりゃダメだな。
ダメなやつだな。
心の中でパッと手を放す。
「自分で帰れるって言ってますんで。多分大丈夫です。あはは…」
そらさんが大丈夫って言ってるんだから大丈夫なんだろう。
「そうですかー。でも同じ方向の子とだいたい一緒に帰らせるんで。大丈夫だと思いますよ。Sくんとかお家近いですか?」
お!
Sくんとは家の2軒隣の家の男の子だ。
「はいはい!2軒隣です!」
「そうですか!ならよかった!」
「あーほんとによかった!よろしくお願いします。」
「じゃ、17時までお預かりしますね。」
「はい!えーと…」
小学校の一角にある建物の中にはキッズに来ている子たちがたくさんいました。
そこにはそらさんの知っている子や仲良しだった子もたくさん。
いつの間にかそらさんはさっさと遊びに行っていて、私のことなんて全く気にしていません。…というか、もうどこにいるかわからない状態でした。
「そらちゃんどこか言っちゃいましたね。ははは。」
「えーと…まぁいいか。じゃおねがいしまーす!」
そらさんにバイバイを言えないまま、キッズ初日がスタート。
お弁当を持って17時まで。
さて。
ほんとに一人で帰って来られるのか?
あんまり気にしても仕方がないので、私は私のやりたいことをやっていました。
そうこうしているうちに夕方。
時間は17時10分。
「ただいまーーー!!」
玄関から元気な声が聞こえました。
「おかえりーーー!!!」
二階から大きな声で返事をする私。
ダン!ダン!ダン!
二階に上がってくる元気な足音が聞こえる。
「ママー!あのね、今日ね、○○くんがねー」
ベラベラと話しだすそらさん。
「ちょっとちょっと!ちょっと待って!」
話しを少しだけ待ってもらってギューー!と抱きしめる私。
「よく帰ってこられたねーー!!すごい!!」
抱きしめられて褒められて、ちょっと照れているそらさん。
「うん。だから言ったじゃん。帰ってこられるって。」
「うん。うん。そうだね。おかえり。そらちゃん。」
ギューっと抱きしめてほっぺにチューをしまくる私。
「…もうしゃべっていい?ママ?」
そらさんは早くこの儀式?を終わらせたいらしい。笑
「あはは。どーぞ。」
「あのね、今日ね、○○くんがね、あのね…」
そらさんはキッズでの出来事を一生懸命話してくれます。
一人で帰ってこられたことについては全くなんとも思ってない感じ。(;'∀')
そして次の日の朝9時15分。
「いってきまーーす!!」
玄関で大きな声がまた響く。
「行ってらっしゃい!変な人について行っちゃダメだよ!変じゃない人にもついて行っちゃダメだよ!わかった?!」
いつまでもヤイヤイ言う私。
「わかった!大丈夫!いってきまーす!」
「うん!楽しんでね!」
「うん!!」
そして夕方17時過ぎ。
「ただいまーーー!!」
そらさんが「いってきまーす!」と一人で家の玄関から出て行き、「ただいまーー!!」と一人で帰って来る。
そんな日が来たんだなぁと少し切なくなる。
顔はニヤけているのに胸が少し切ない。
こうやって少しずつ離れていく距離が長くなるんだろうな。
今は近所の小学校まで。
この後はどこまで?
そしてその後は?
いつまでも同じ毎日なんてありえない。
いつだって新しい時間で、刻々と変化している。
いつだって毎瞬変化しているのに、その変化はほんの少しずつだからいつもは気付かないんだ。
でも、こういう出来事が起こるとその変化を目の当たりにする。
あの小さかったそらさんはもういないんだなぁって。(今だってまだ小さいんだけどね。)
毎瞬変化しているという紛れもない事実を目の当たりにすると、なぜか切なさがこみ上げるんだ。
『何も掴まえることができない』ということを突き付けられるから。
でもさぁ…
それがまたいいんだよねぇ。
大きくなることを望んでいるのに、大きくなったことを知ると切なくなる。
あぁ…
切ないのぉ…
たまらんなぁ。
今日もそろそろ聞こえてくるかな。
あの大きな元気な声が。
毎日が楽しくあってほしい。
元気に帰ってきて欲しい。
かつて小さかった私がそんなことを思っています。
ではまた。