先週の土曜日、そらさんの行っている南アルプス子どもの村学校の春祭りがありました。
そらさんは「春祭りの準備で毎日すんごく忙しいんだからー」と毎日のTELで若干泣きながら言っておりまりました。
(淋しいから泣いちゃうけど忙しい活動のことも言いたい、みたいな複雑なやつね。)
子どもの村学校の春祭りは、生徒が保護者を招いて各プロジェクトごとにいろん制作物の販売や食べ物の販売、活動報告をする文化祭みたいな感じ。
そらさんはクラフトセンターでキーホルダーの担当になったらしく、毎日たくさんのキーホルダーの作成に励んでいたそうです。
ゆ「キーホルダーってどうやって作るの?そらちゃんは何をやってるの?」
私は少しでもそらさんが何をやっているかを聞きたくて、毎日TELで聞きまくる。
そらさんは泣きながら私に甘えたい。
そんなやり取りが行われます。笑
そ「うぇっ、ママ、あのね、そらちゃんはね、うぇっ、色塗ったり、やすりをかけたりしてるのぉ~。ママぁ~!」
みたいな。(;'∀')
春祭りの数日前、そらさんから珍しく朝からTELががありました。
ゆ「そらー!どうしたー?」
朝から泣いてるのかと心配して出ると、TELの向こうからはかなり冷静な声が聞こえてきました。
そ「ママ?あのね、こないだキーホルダー百個くらい作ったって言ったじゃん?それね、嘘かもしれない。」
え?
そんな訂正の為に?
ウケる。
ゆ「あー。そうだったんだねぇー。うん。わかったー。」
笑わないように気を付けながら答える私。
そ「あとね、ママ。キーホルダーがいつもすごい人気で、すぐなくなっちゃうんだって。ママ、欲しがってたでしょ?そらちゃんから絶対買うって言ってたでしょ?だから、すぐに買いに来ないとなくなっちゃうかもしれないんだよ。」
ゆ「えーーー!!それやだ!絶対やだ!ママ、そらちゃんからぜったい買いたい!無くなっちゃうの絶対やだー!」
わざと大げさに言う私。
TELの向こうからはそらさんの苦笑いの声が聞こえてきました。
そ「んふふ。ママ?でもね、もしなくなっちゃったとしたら、そらちゃんが余った木で作ったやつがあるからぁ、それを特別にあげるね。わかった?」
私をなだめるそらさん。
かわゆす。
次の日も次の日も、TELの時には必ず「なくなっちゃうかもしれないからね。」の注意が入りました。
でもねぇ…そんなこというけど、そんなにすぐにはなくならないでしょう?
と思っていた私と亮一さん。
で、当日。
オープニングの会が体育館で行われ、生徒から順に退場して春祭りに担当ブースに移動します。
生徒たちは各会場に分かれて、いろんな販売を始める準備をし始めます。
あんまり早く行っても準備に追われてなかなか販売も始まらないかもしれないしー
なんか体育館の出口混んでるしー
とか思って、ノロノロとしていた私たち。
やっと小学校の校舎に行くと長蛇の列!!
ゆ「えーーー!!なにこれーー!」
り「すごいなーー!!」
よく見ると「おいしいものをつくる会」というプロジェクトのパン販売の列でした。
ゆ「なんだー!パンかー!よかったー!」
ホッとしてその列の奥に目をやると、そこがそらさんのいる「クラフトセンター」のブース。
ん?
あれは…?
よく見るとキーホルダー販売のラックがあり、その前で泣いているそらさんを発見しました。
ゆ「どうしたーー!!そらちゃーーん!」
駆け寄ると私に抱き着きますます泣き始めるそらさん。
ん?とキーホルダーのラックを見ると、なんと残りあと3つ!!
ゆ「えーーー!!これ買う買う!これ買う!」
「キーホルダー残りわずかですよーー」と言っているそらさんの先輩(小4くらいのぉ男の子)に急いで言いました。
一つ60円のキーホルダー。
ラックには『限定60個』と書いてありました。
ゆ「そらちゃん!買えた!あれ?でもそらさんから買うって言ってたけど…」
そ「大丈夫。そらちゃんも今売ってる係だから。うぇっ」
そらさんは目の前でどんどん売れていくキーホルダーを見て不安になったようでした。
「このままじゃ売り切れちゃう!ママとパパとばぁばの分がなくなっちゃう!」
と焦ってドキドキして泣いていたらしい。
かわゆす。
その超レアキーホルダーはこちら。
子どもの村学校のマークが表面。
裏面にはこちらが。
これがそらさんが作ったものかどうかはわからないけど、こうやって一生懸命色を塗って、文字や顔を書いて…ってやったのかと思うとなんだかグッときます。
ちゃんと買えたことに安心したそらさん。
すっごく得意げにこれをくれました。
「これね、そらちゃんが余った木で勝手に作ったから売り物じゃないんだけどさ。
ママにあげるから。ね?」
「これね、超レアなやつだよ。」
そう言ってました。笑
ちょっと…可愛いんですけど。笑
そらさんのいるクラフトセンターでは「よもぎうどん」と「つく汁」が販売されてました。
子ども達が試行錯誤して作った、よもぎを練りこんであるうどんと山菜が沢山入ったお汁。
よもぎも山菜も子供たちが採ったものだそうです。
美味しかった!
(写真ないけど。)
今回の春祭りには私の母親が同行しました。
私の母は未だにそらさんがこの小学校に入ったことに納得してません。
「やっぱり子供は親と一緒にいるのが一番よー」
これが口癖。
なんとかその言葉を言わないようにガマンしているものの、なにかきっかけがあればその言葉が出てきてしまうのが現状です。
いや…私は家出してすんごくよかったんですけど…
とは言えません。
論点が違うからね。
母親なりに「そらがどんなとこでどうやって過ごしてるのか見て見よう。私たちの話も聞いてみよう。」という気持ちでいてくれるのがひしひしとわかる。
ありがたいことだ。
その日、昼休みの時間に体育館で行われたお話し会があった。
中学校の校長の『Kちゃん』が10周年を迎える南アルプス子どもの村学校の秘蔵映像を公開しながらお話をしてくれる会を開いてくれました。
私は母親にそれを見せたかった。
やっぱり心のどこかで「理解して欲しい」と思っていました。
(ちょっとあきらめてはいたんだけどね。)
その会でのKちゃんの話が素晴らしかったのでシェア。
Kちゃんはとっても優しい雰囲気をもった、物静かなイメージの素敵な方です。
でも内実はとっても熱い。
Kちゃんが「教育とはなんだろう?って考えてみました。」といいながらスライドを見せてくれました。
スライド内容↓
教育とは?
○疑問を持ち、自分自身で確認してみようとする力
○意見をもつ力 伝える力
○頭で考えたことを表現する力
○自己受容する力(自分はこれでいい)
○人のことを、そっと見守り、放っておく力
○選択する力
○前向きに気持ちをスイッチする力
○おもしろいことをみつける力
私はうなりましたよ。
全部に頷いた。
教育とはその力をのばしてくことだと。
この力を伸ばすのが教育だとすると…
押さえつけるなんて、強制的にやらせるなんて、大人が(都合よく)決めたことに従わせるなんて、絶対にダメなことだと良くわかる。
この学校の理念の基本はサマーヒルという学校を作ったニイルさんという人から発せられている。
私には子供たちがどこに向かって進んでいくのかわからない。
だからこそ、子どもたちの歩みを導こうとするべきではないと考える。
権威を捨てよ、という私の持論の究極的な理由もそこにある。
すごいな…
ほんとにその通りだなぁと思う。
Kちゃんのお話しと私の大きな頷きと小さな落胆のお話はまだまだ続きます。
長くなったので…
続く!