藤山家においでよ

藤山家ってこんなとこです。

私のコト 83

気付いたらだいぶ久しぶりな投稿になってりましたー!

お久しぶりです!

 

待っててくださっている方々、もしいらっしゃったら申し訳ありませんでしたー(;'∀')

 

さて、さっそく続きです!!

 

前回はこちら↓

私のコト 82 - 藤山家においでよ

 

 

りおママが絶対に逃したくないと力説するほどの上客、八尾さんの気を引くことができなかった小娘ゆっきぃ。

気を引くどころか、Tさんの為に先に帰ってしまうという行動に出たことをひどく後悔していた。

そんな八尾さんのことはもうあきらめていたある日、お店に出勤したころに一本のTELがかかってきた。

 

 

「ママー!お電話でーす!」

 

ボーイさんがママを呼ぶ。

 

「はいはーい!もしもし?あらっ!!こないだがありがとうねぇ!」

 

ママの弾むような声が店内に響く。

 

「えっ?!明日?うん。うん。え?ゆきえちゃん?うん。そう。ちょっと聞いてみるわぁ。後でTELしてもいいやろ?じゃ、またあとで~。」

 

ゆきえちゃん?と

私の名前が出てきていたのがわかった。

 

電話を切るとママが私を手招きした。

 

「はい?なんでしょうか?」

 

ママの笑顔が心なしか引きつっている。

 

「あんな~、今八尾さんからTELやってんな。」

 

おっ!

八尾さんっ!!

 

「はい。そうだったんですね。」

「うん。でな、明日なんやけどな、一緒に食事したい言うてんねん。

ゆきえちゃんと私と一緒にって。」

 

え???

ママと私??

なんで私も一緒に?

 

私は頭の中が?マークでいっぱいだった。

 

「へ?私も?ですか?」

「そやねん。ゆきえちゃんも連れてくれって言うねん。」

「へ?だって…八尾さんとそんなにお話しもしてないですし…ママにメロメロー♡みたいな感じでしたしねぇ。あ!!だれか他にお客さんが一緒なんですかね?」

「なんでやろなぁー。ま、八尾さん一人ではなさそうやけどな。

てことなんやけど…ゆきえちゃん、明日同伴入ってない?行ける?」

「はぁ…はい。大丈夫ですけど…。私、行っていいんですかねぇ…。」

「なんやわからんけど連れてきてくれ言うてるのは向こうやねんから大丈夫も何もないやろー。」

 

ふーん…

ママと二人だと恥ずかしいのかなぁ…

 

「でー、明日は何食べに行くんですかねー?うひひー」

 

私はちょっと不本意なママの様子を察知し、ちょっとふざけて聞いてみた。

 

「ふぐやねんてー。ゆきえちゃん、ふぐ好きやろ?」

 

ふぐっ!!!

私はこの一言で明日の同伴が一気に楽しみになった。

 

「わわわわー!!急にめっちゃ楽しみになりましたーー!!ふーぐっ♪ふーぐっ♪」

「あははは!ほんまにゆきえちゃんはふぐが好きなんやなー!ま、明日頼むわな。」

 

この頃の私はふぐの美味さに魅了されていて、着く席着く席でふぐの話しばかりしていた。

結果、毎日の同伴メニューがふぐ、連日ふぐ、のような状態になったりしていた。

↑完全なる余談だけど。

 

ママから聞いた八尾さんとWさん達の関係性はこうだった。

 

八尾さんは○○建設のかーなーりやり手の営業本部長で、社長とも直にやりあったりできるような立場である。

部下もかなりの数抱えていて、八尾チルドレン的な人たちが派閥を守っているらしい。

 

そしてWさんは同じ○○建設の同じ営業で、Wさんもかなりなやり手らしいが営業部長の肩書きで、社長と直にやりあったりするような立場ではない。

部下ももちろんいるけれども、どちらかといえば仲のいい同僚と一緒に仕事を回しているようだ。

 

Wさんといつも一緒にいる木田さんは、若いころからWさんに目をかけてもらっていた下請けの会社社長。ずっと仲が良いらしい。

 

てことで、りおママ的にはどちらもすごく大切なお客さんだけど、ビジネス的により強くつながっていたいのは八尾さんの方らしい。

 

会社の立場も上だし、部下もたくさんいる。

取引先の接待にも使ってもらえる場面が増え、落とす金額も多いのは八尾さんの方だから。

 

そして、Wさんは八尾さんのことをあまり良く思っていないようだということを聞いた。

八尾さんの話がでるとすごく嫌な顔をするそうだ。

 

「ゆきえちゃん。Wちゃんと木田さんの前では八尾さんの話はしないでなー。」

 

ママから何度か釘を刺された。

 

大手建設会社の派閥がどんなものなのか、男性が仕事にどれほどまでにプライドを持っているのか、まだ私には何もピンとこなかったけどまーなんかいろいろ大変なんだろうなぁ…と思った。

 

木田さんには八尾さんのことちょっと聞いてみようかな、やめておいた方がいいのかな、あーでもちょっと聞いてみたいな、なんて考えていた。

 

 

お店はそこそこに忙しかった。

 

今日はTさんが奥さんと子供のところに帰ってる日だ。

アフターもなんとなく入りそうもなかったので、マキを飲みに誘った。

 

「もうすぐ終わりやんねー。マキ、今日なんか予定ある?」

「ないですよー。ゆきえさん、アフターは?」

「今日はなさそうな感じ。Tさんもおらへんねん。一緒に飲みに行かへん?」

「わー!嬉しい!ゆきえさんがアフターないの珍しいですね!行きましょ行きましょ!」

「うんうん♪」

「あれ?でも…せっかくTさんいないんだから、木田さんに連絡したほうがいいんじゃないですか?しました?」

 

マキったら…

イイやつなんだから。

 

木田さんとはこないだホテルに泊まって以来会ってない。

(SEXもしなかったし!)

でも、嬉しいことに毎日TELがかかってくるようになっていた。

ほんのちょっとの時間だし、なんの話しをするわけでもない。

ただふざけたりするだけのTELだ。

でも必ず最後にこう言うようになっていた。

 

「浮気すんなよ。」

 

私はその言葉を言われる度にうほーーっ!と叫びたいくらい嬉しかった。

そしてしおらしく答える。

 

「はい。しませんよ♡」

 

実際は…

…置いといて。

 

 

「木田さん?連絡してへんよ。でも今日のお昼にTELでしゃべったし。

ミナミにくるようなこと言ってなかったしな…。

ま、マキと話したいしええねんよー。」

 

 

マキと仕事終わりに飲む約束をして、間もなく終了する今日のお仕事に集中していたその時。

店のドアが開き、Wさんと木田さんが入ってきた。

 

きゃっ!!

 

木田さんの姿を見ると、条件反射のように体がキュッとなる。

と同時に胸がドキドキし始める。

 

マキが私に目配せをする。

いやぁ~ん♡のジェスチャーをこっそりしてマキを笑わせる。

 

ほんとにいやぁ~ん♡の心境だった。

 

「あらぁ~、Wちゃんと木田さんやないのぉ~!座って座ってー!」

 

りおママが私とマキをすぐに席に呼ぶ。

 

やった!!

 

今日は会えるわけないと思っていたのに会えた!!

 

「いらっしゃいませぇ~♪失礼しますー♪」

 

わざとクネクネしながら席に着こうとする私。

 

「なんやぁ?!失礼なら帰ってやー!」

 

いつものWさんの小ボケ。

 

「うっさいわ!座るでー!」

 

あー楽しい。

 

Wさんの席はほんとに楽だ。

木田さんもいるし、ほんとに楽しい時間だ。

 

「マキ~♡会いたかったぁ~ん♡」

 

Wさんが体をクネクネさせながらマキの手を握る。

 

「あははは!Wさん何言うてるんですかぁ~♪」

 

マキが可愛くあしらう。

 

私は木田さんのとなりに座ってチロッと木田さんを見る。

 

「今日来るなんてしらんかった。」

 

小声で木田さんに言う。

 

「おう。俺も来ると思わんかったんや。」

 

木田さんも小声で話す。

嬉しい。

 

「んふふ。」

 

Wさんはずーっとマキの手を握りながらクネクネしている。

 

「ちょっと!最近Wさんおかしいんちゃうの?マキの手をはなしなさい!!」

 

私はわざとマキの保護者役のように振る舞った。

 

「ゆきえはうるさいわぁ!あー!お前!さてはぁ~焼きもち焼いてるんやな!

ちゃうで!わしは、マキのもんやからな!」

「なにを言うてんねん!Wさんに焼きもちなんか焼くわけないやん!マキが心配なだけやんかー」

「うっさい!ゆきえはうっさいわー!」

 

50過ぎのおじさんとこんな会話をするなんて。

我ながらウケると思っていた。

 

もうすぐ閉店だ。

 

マキと二人で飲みに行く約束をしていたけど…

これは多分一緒にアフターに行く感じっぽかった。

 

「ゆきえー、この後飲みに行くぞー!な?ええやろ?マキ~♡」

 

Wさんが案の定誘ってきた。

 

マキと私は目配せで会話をした。

 

「ゆきえ。大丈夫やろ?行くやろ?」

 

木田さんはその目配せ会話に気付き、私に聞いてくる。

 

「あ、うん。大丈夫。さっきな、マキと二人で飲みに行こうって話してたんや。

でも木田さんと一緒のがええから。」

 

木田さんがソファーにもたれかかりながら私をジッと見る。

なんともいえない顔で私をジッと見る。

 

木田さんはこれをよくやる。

私はこれをやられる度にどぎまぎしてしまう。

 

「え…?えっと…何?」

 

目をそらしてどぎまぎして聞く。

 

木田さんはううん、と首をふる。

そしてそっと、かなり優しく、そっと髪に触れる。

 

そしてすぐに姿勢を変え、水割りを飲む。

 

こ…このやろー…

絶対わかってやってるだろ。

めちゃくちゃドキドキするやないかー!

 

 

相変わらず私は木田さんに翻弄されている。

 

翻弄されながら、4人でアフターに行った。

 

楽しく飲み、歌い、しゃべり、ふざけた。

 

もう夜中の2時だ。

 

今日はTさんがいない。

気を遣う相手がいないのはこんなにも解放感があるものなのか!と改めて感じる。

 

「そろそろ帰るかー!」

 

Wさんがそういいながら席を立とうとした。

 

「マキ!ほんまは話したいことあってんけど…また今度二人で飲もうな。」

「はい!でもー、ゆきえさん今日はよかったですねー!うひひ!」

 

マキは相変わらず優しい。

 

「なぁ?Wさん大丈夫?だいぶマキに甘えてへん?」

「だいじょうぶですよー!ね?Wさん?」

 

マキは酔っぱらってWさんの肩にもたれかかった。

 

「うおー!マキー!なんて可愛いんやー!」

 

マキはまだ21歳だ。

Wさんは50代。

 

ま、変なことはしないだろう。

娘みたいな可愛がり方なんだろうなーと感じる。

 

 

「マキー!送って行ったるわー!」

 

Wさんがマキと一緒にタクシーに乗ろうとする。

ん?

いいのか?と一瞬感じた。

 

「マキ!いいの?大丈夫?」

「え?大丈夫…ですよねー?!Wさん?!」

 

マキは酔っぱらっていた。

 

「あー?何が?!ゆきえー!お前うっさいわー!大丈夫に決まってるやろがー!送っていくだけやで!」

 

うん。

そうだよね。

大丈夫だよね?

てか、大丈夫ってなんだよ。

 

「うん。そやな。ごめんごめん。Wさん、ごちそうさまでした!マキのことお願いします!じゃあね。マキ。また明日ね!」

 

 

私はなんとなく不安な気持ちでマキとWさんを見送った。

 

「どないしたん?心配か?」

 

木田さんが優しい声で聞いてきた。

 

「うーん…別に心配ちゃうよ!へーき!」

 

「ふーん。じゃ、行こうか。」

 

木田さんは私の手をギュッと握った。

 

 

当たり前のようにホテルに入り、当たり前のように腕を組み、キスをしていた。

 

「ゆきえ。今日は勝手に帰るなよ。」

 

木田さんはそういいながら私を抱いた。

 

SEXの後、私はやっぱり気になって八尾さんのことを聞いてみた。

 

「あのさ、Wさんと同じ○○建設の八尾さんって知ってるん?」

「あー…八尾さんかぁ。知ってるで。なんで?」

 

一瞬木田さんの顔が引きつったのを私は見逃さなかった。

 

「うんとさ、こないだお店に来たんや。で、Wさんと同じ会社やし、同じ営業やろ?

だからどんな感じのつながりなのかなーと思って。」

 

こんな感じで大丈夫だろうか?

なんかダメなこと聞いてないだろうか?

 

「八尾さんなぁ…。よくは知らんけど…。まぁあんまりいい噂は聞かんなぁ…。Wさんとも反目(はんめ)っぽいしなぁ。」

 

ものすごく歯切れが悪い!

あんまり言いたくなんだということがわかった。

そして反目(はんめ)だということもわかった。

 

あ、解説です。

反目(はんめ)とは、まーいわゆる反りが合わないというか、両極にあるというか、

んーと、まぁ簡単に言っちゃうと仲が悪いって感じの関西弁です。

 

「ふーん…。あのさ、お店に八尾さんは来てることがわかったらWさん嫌がるんかな?」

 

「まぁ…、嫌がるっていうか、気分は悪いやろなぁ…」

「そっかぁ。うーん…」

「なんや?ゆきえは八尾さんに誘われてるんか?」

 

え?

焼きもち?

焼きもち焼く?

うひひ。

 

「ちゃうよ。たぶん八尾さんはママを狙ってるんやと思うんや。でもな、明日ママと一緒に同伴誘われたんや。」

「ふーん…」

 

あれ?

焼きもちは?

なし?なし?

 

「…浮気すんなよ…」

 

キターーー!!

 

「はい。しませんよ♡」

 

うひ。

実際は…

…置いといて。

 

 

Tさんに気兼ねなくゆっくりと木田さんとの時間を堪能し、朝まで一緒にいられた嬉しさで勝手に顔がにやけていた。

 

木田さんと別れお家に帰る。

 

木田さんとの時間の余韻に浸りながら、にやけたままもうひと眠りすることにした。

 

八尾さんかぁ…

同伴、どんな感じになるのかなぁ…

 

私はますます八尾さんへの興味が湧いてきていた。

 

どんな人なんだろう…

 

眠りから覚めたら、いよいよ八尾さんとのお食事が待っている。

 

 

 

つーづーくー