藤山家においでよ

横浜のパワースポットと化した藤山家。施術、お料理、お話し会などを通じて『幸せに生きる』を実験、研究しています。

私のコト 78

みなさんまたまたお久しぶりです!

 

そら先生が絶賛夏休み中で中々更新できませんでしたー

 

今日からまた元気に幼稚園に行きました!(本チャンの幼稚園はまだ夏休み。預かり保育に行っております!)

 

さて。

 

続きいきましょー!!

 

前回はこちら↓

私のコト 77 - 藤山家においでよ

 

 

木田さんがホテルで熟睡してしまい、泣く泣くSEXなしで一人帰路につく小娘ゆっきぃ。

帰ればTさんが疑って待っている。

どんな時間になるか。

 

 

タクシーがマンションの前に着く。

 

はぁ…

 

溜息を何度もつきながらエレベーターに乗る。

 

はぁ…

 

もう一度溜息をつき、部屋の鍵を開ける。

 

「ただいま…」

 

布団の中から顔を出して煙草を吸っているTさんがこちらを見る。

 

「おかえり。ゆきえさん。」

 

暗い声だけど顔は笑っている。

寂しそうな笑顔。

 

「遅くなってごめんね。ちょっとシャワー浴びてくる。」

 

「…あやまらんでええねんで。浴びといで。」

 

とても寂しそうに私を見ながら優しい声で言う。

 

シャワーを浴びながら「この後どうしようかなぁ…」と呟く。

 

シャワーから出ると、Tさんはちゃんと座って私を待っていた。

 

「眠いやろ?待たせてごめんやで。」

「あやまらんでええって。勝手に待ってるんやから。」

 

……

 

二人で黙り込む。

 

めずらしくTさんが何も言ってこない。

どうしたんだろう。

私は何を言えばいいのか。

 

「はぁ……ゆきえさん…ほんまのコト言ってや?…」

「…うん…」

 

やっとTさんが口を開いた。

ほんとのコト?言う?言えるの?

 

「どこにおったん?」

 

ドキッ!!

 

どうする?

ここでほんとのことを言ったらこの後どうなる?

Tさんと今離れていいの?

このお部屋は?出て行かなきゃならなくなる?

クラブで働く話は?

 

どうする?どうする?

 

「…だから…」

 

私。どうする?

 

 

「さっきタクシーの中で言うたやろ?アフターもう一軒行ってたんやで。

地下のお店で電波悪かったのと、私が焦ってて連絡入れるの忘れただけやで。」

 

 

 

ものすごく流暢に嘘が口から出た。

私はまだまだTさんを利用しようと思っていたようだ。

自分のことなのにすごく他人事に感じる。

 

「…ほんま?」

「うん。ほんまやで。」

「…じゃあ…どこのお店に誰と行ってたんや?」

 

Tさんはすごく疑っていた。

正直すごくめんどくさい。

なのに私は何故だか嘘を嘘で塗り固める。

 

「お店の名前は忘れちゃった。お客さんはYさんだよ。Tさんも会ったことあるでしょ?」

「Y?あぁ…あいつか…今日お店に来てたのか?」

 

Tさんは明日にでもりおママに確認の連絡を入れるかもしれない。

それぐらいはすぐにやる人だ。

 

「来てなかったけど一緒に飲もうって連絡があったんよ。」

「…そうか…」

 

まだTさんの雰囲気は暗いままだ。

 

「まだ疑うん?じゃあ私どうすればいい?」

 

嘘をつきまくってるくせによく言うわ。

 

「…ごめん…」

 

へ?

急にごめん?

 

「なんでごめん?なんでTさんがあやまるん?」

 

「…ゆきえさんのことが好きすぎて…やっぱり怖いんや。失うのが怖いだけなんや。

疑ってしまったごめんやで。うぅ…うぅ…」

 

…泣き始めたでこいつ。

 

「ごめんなぁ。心配かけてごめんやで。泣かんといて。」

 

泣き始めたTさんを目の前に、益々サーッと気持ちが引いていくのを感じる。

 

「うぅ…うぅ…ゆきえさん…うぅっ…怖いんやぁ…」

 

泣き続けるTさん。

それを見てどんどん気持ちが冷めていく私。

 

(すげー泣いてる…引くわぁ…)

 

↑これが私の本音。

 

「Tさん。もう泣かんといて。ちゃんと私いるやんか。いなくなんないから。ね?」

 

泣いているTさんをみるのが嫌すぎてなだめる。

 

(早く泣き止んで寝ようやぁ。めんどくさいわぁ。)

↑本音。

 

「ほんまやで!いなくならんといてや!ゆきえさぁん!うぅ…」

 

抱きついてくるTさんの頭を抱えヨシヨシする私。

 

「大丈夫。いなくならんて。な?もう寝よ!一緒に寝よ!」

「うん…うん…」

 

なんとかTさんをなだめ布団に入る。

 

まだべそをかいているTさんは私の服を脱がし始めた。

 

「え?Tさん?」

「今日はゆきえさんを抱かないと安心できひん。」

 

Tさんはもくもくと私の服を脱がす。

拒みたいけど拒むとまためんどくさいことになる。

 

(はぁ…。ヤリたくない…。抱かせたくない…。でも仕方ない…。)

↑本音。

 

私はまたしたくないSEXをする。

抱かれたくない人に抱かれる。

早く終われーと思いながら。

 

まったく気持ちよくない、まったく心が喜ばない(むしろ心が辛い)SEXを終え、

やっと眠りにつこうとしたその時。

 

「ゆきえさん。明日クラブLのママをりおの店に連れていくわ。

ゆきえさんに会ってもらおうと思う。」

 

Tさんはそう言った。

 

「え?クラブLのママ?なんで?え?」

 

クラブLはミナミの中でも老舗中の老舗だ。

知らない人はいないっていうくらい大きな老舗高級クラブだ。

Tさんはそこのクラブの昔からの常連で今もよく行っている。

オーナーママとは古くからの付き合いで、よく食事もしている仲だ。

 

そんなすごいクラブのオーナーママを明日連れてくると急に言い出した。

 

「前からクラブに紹介するって言ってたやろ?ゆきえさんならクラブに行けるって。

もうりおの店はええやろ。もう十分やろ?あかんか?」

 

「ううん。あかんくないわ。嬉しいで。でも…大丈夫かなぁ…。私で…」

 

いざ目の前にそんな話がくると怖気づく。

高級クラブで働いてみたい!が私の望みだったはずなのに。

 

「大丈夫やって!ゆきえさん、明日同伴入ってる?」

「うーんと…いまんとこ入ってない。」

「じゃ、一旦同伴してお店に行こう。そんで一回俺だけ抜けて大ママ連れてくるから。な?」

「うん…わかった…」

「とりあえず寝よう。おやすみ。明日な。」

「うん…。おやすみ。」

 

 

急展開。

明日私はちょー有名な高級クラブの大ママと対面する。

私で通用するのか?

そしてどんな方なのか?

 

これからどうなっていくのか…?

 

いろんな思いがぐるぐると浮かぶ

そのうちそんなぐるぐるが嫌になった。

 

もうどうにでもなれ!

一度は死を覚悟したんだ!

生きてるだけで儲けもんだ!

飛び込んでいってやる!

 

そんなことを胸で呟き眠りについた。

 

つーづーくー