藤山家においでよ

横浜のパワースポットと化した藤山家。施術、お料理、お話し会などを通じて『幸せに生きる』を実験、研究しています。

私のコト㉙

みなさんこんにちわー!

 

そらさんがまだ本調子ではなく、昨日今日と幼稚園をお休みしております。

昨日の午後くらいからやっと食欲が少しずつ出てきて、ちょっとずつ元気になってきております。

今日は熱も完全に下がり、体力の回復を待っているような状態でございます!

 

私達夫婦はなるべく病院に行かずに、薬に頼らずに過ごしていこうと思っているので

今回も充分に様子を診つつ、自然療法で自然治癒を目指しました。

 

インフルエンザのワクチンも打たない。

抗生物質も極力使わない。

お医者さんが出す風邪薬?的なもの?も極力使わない。

 

ここで重要なのは“絶対”ではなく“極力”。

何ごとも意固地になっては身体と心が固まりますからねぇ~

 

今回は水分をコマめにとってもらって、薄めにつくった梅肉エキスも少しずつ

とってもらいました。

食欲がわくまでは食事もとらず、ひたすらゆっくりしてもらう。

 

これね、なかなか勇気がいることなんです。

お医者さんにかかる方が簡単なんだよね。

 

まーその事についてはまたおいおい書こうかな。

 

とにかく娘が元気になってきてちょっと安心しました!

 

さてさて。

続きいきましょー

 

ラウンジホステス初日をなんとなく良い感じで終えた小娘ゆっきぃ。

2週間後には周年記念パーティーを控えている。

なんとかそれまでに何かママの手助けができるようになりたいと思い始める。

 

私ができることは何か?

あのお店で私がママの手助けとして出来ることは何か?

 

バーテンダーを始めた頃と同じように私は真剣に考え始めた。

 

 

ここでクラブやラウンジのシステムを少しご紹介~

クラブやラウンジとよばれるお店は基本的に『会員制』。

いわゆる一見さんは入れません。

ママのお客さんか、もしくは紹介がなければお店に入る事ができません。

そしてお店で飲むためには『席料』というものが発生します。

座っただけで〇万円ってやつです。

そして基本はボトルキープが必要です。

(店ボトルもあるのでそれを注文することもできますがね。)

 

そして高級クラブとよばれる場所には“カラオケ”がありません。

店によってはピアノの生演奏があり、その生演奏で唄うことができたりもします。

ラウンジにはカラオケあり。

 

あとは値段。

 

これはもう店によって値段が違いますが、もちろんラウンジよりクラブの方がお高いです。

私がここで勤めたラウンジ『りお』は席料1人1万5千円。

ヘネシーのボトルが一本2万円。

ここにホステスさんがおねだりするドリンク料なんかが加算されたりするわけです。

 

ここで私が最初に提示されたお給料は時給3000円。

同伴出勤なんかのノルマは一切出されませんでした。

それはもちろんド素人だったからです。

 

これは後から知る話しですが、先輩ホステスさんたちは毎月ノルマが課せられていました。

ひと月に同伴出勤〇回、お客さんの動員〇人、とかとか。

(動員とは“お店に呼ぶ”って事ね)

このノルマが達成できなければお給料から引かれるというシステムです。

 

もうこれは、キタやミナミのホステスさんたちには当然のシステムでした。

 

いわば私はド素人なので“見習い”として入った訳です。

 

右も左もわからない私は、どうやったら『りお』というお店に貢献できるのか

ほんとに真剣に考えました。

時給3000円に見合う働きってなんだろう?

自分で時給3000円分以上稼ぎ出さなければ!

 

私はとりあえずどのお客さんにも気に入られるように努めました。

 

お客さんは、この『りお』というお店にママを求めてやってくる。

ママも来たお客さん全員のお席について接客をしたいだろう。

でもママは一人。

全てのお席にずっと着いているのは不可能。

なのでお店の女の子を席に着ける。

ここでお客さんにつまらない思いをさせてしまったら

お客さんは離れる。

お店の女の子の質はママの質に繋がるってるんだ。

 

一生懸命ママが繋げて来たお客さん。

私が席に着いたせいで離れていってしまったらほんとに困る!

 

まず楽しんでもらって、そして気に入ってもらおう。

 

どうしたら楽しんでもらえるだろう?

ママの足を引っ張らないように接客をしていこう。

 

私はそんな事を必死で考え、毎日お店に出ていました。

 

私は自分のそんな考えが当たり前だと思っていました。

他の先輩ホステスさんたちもみんな同じように思っていると信じて疑わなかったのです。

 

バーテンダーの時と同じで、ママの力になろうと必死に素直に働く私をママはすぐに可愛がるようになりました。

 

ママの大切にしているお客さんの席には必ず私を着けます。

『ゆきえちゃんやでー。かわいがってやぁ~。』

 

ママがお客さんに同伴出勤を申し込まれると

『ゆきえちゃんも連れて行っていいやろ?』

と必ず言います。

 

そうこうしていると、私はいつの間にかママの常連のお客さんたちに

可愛がられるようになっていきました。

 

少しづつ、ママ抜きで私だけで同伴出勤に誘われるようになり、お店が終わった後にお客さんのお付き合いをする、いわゆる“アフター”にもよく誘われるようになっていきました。

 

でもまだまだ。とにかくまだまだ。

毎日が必死。

同伴出勤を毎日のように出来るようにならなければママの手助けにはならないと思っていたから。

もともとお客さんをもっているわけではない、経験もなにもない私ができることはこれしかない!と思い込んでいたのです。

経験のあってお客さんをもっている先輩たちに並ぶためにはとにかく同伴出勤の回数だ!可愛がってくれるお客さんを増やすんだ!

ひたすらそればかり考え、『こんなんじゃまだまだだ!』と思っている毎日。

まったく周りは見えていません。

 

そんなある日。

周年記念日の前に一度ミーティングをひらくと言われ、

いつもよりはやく出勤しました。

 

カウンターにホステスさんが並ぶ。

ママとボーイさんがカウンターの向かいに座る。

何を言われるのか…

みんな緊張している。

 

ママはみんなの接客をみて、それぞれの注意点を言っていった。

結構きつめに注意をしていく。

ママも周年を前にしてかなり真剣なんだとみてとれた。

みんな何年もホステスさんをやってきている人たちなので、

ママもプロとして扱っているからこういう言い方をするんだろうなぁ…

言われたらきついし傷つくだろうけど、なんだかちょっとうらやましいなぁ…

なんて思いながら聞いていると、とうとう私の番がきていた。 

 

「みんなゆきえちゃんを見習いや!入ってまだ二週間経ってないんやで。

もう同伴出勤もしてるしいつも席によばれるやろ!

こうやってくれな私も困るねんからな!」

 

えっ?!!

私っ?!!

見習うっ?!

えーーーーっ!!!

 

こんな先輩たちの前で入ったばかりの小娘を褒めますかっ?!

 

とにかく必死で、しかもまだまだだと思っていた私はとにかくびっくりしてしまい、

ただ「はぁ…。あ…ありがとうございます…」と小さい声で呟いてました。

 

なんだか変な感じでミーティング終了。

 

ママは同伴出勤の約束の為に店を出る。

 

残された私達。

 

「あんな言い方せんでもええやんなぁ。私らだって頑張ってるんやし。」

まこさんが口火をきる。

「周年前でピリピリしてるんやんなぁ。」

さおりさんが優しく諭す。

「みんなイッショウケンメイやってますよぉ~」

はるこさんがカタコトの台湾なまりでニコニコと言う。

まゆみさんはずっとうなだれている。

 

私は…

なんだか何にも言えずにただ座っていた。

 

そんなとき、まこさんが私にこう言った。

 

「ゆきえちゃん。あんた、この世界のコトなんもしらんやろうから言っておくわー。

怒ってるんちゃうからな。これからもこの世界で生きていくつもりなら知らなあかんコトやから言っておくんやで。」

 

え?!

なんだろ?!

なんか悪いコトしてたのか?!

ドキドキしながらまこさんの言葉を待つ。

 

「こないだな、はるちゃんのお客さんの席に着いたときTEL番号聞いてたやろ?

はるちゃんがトイレ行ってるあいだにお客さんのTEL番号聞き出そうとして『私もお食事連れて行ってくださいよ~』みたいな事言ってたやろ?あれはやっちゃあかんコトなんやで。それにな、ゆきえちゃんがあのお客さんと同伴出勤したからってゆきえちゃんの実入りにはならんねんからな。」

 

えっ?!

違う!

それは違う?!

全く事実と違うことを急に言われ、私は何も言えなくなっていた。

 

「はるちゃんのお客さんが後からはるちゃんにそう言ってきたみたいやで。

『ゆきえちゃんにお食事連れて行ってくださいっていわれてTEL番聞かれた』ってな。困らせてしまったんちゃうの?

はるちゃんは優しいからゆきえちゃんには言えないっていうから私が代わりに今話してるんやけどな。」

 

もう弁解もしたくなくなり、私は事実と違うことを認めてしまいました。

「困らせてしまったみたいですいません。あとまこさん、ちゃんと教えてくれてありがとうございます!勉強になりました。はるこさん、ごめんなさいね。ほんとに何にもわからなくて…」

「ゆきえちゃんがわかったならええねん。な。はるちゃん。もうええやろ?」

「あーぜんぜんイイんですよー。シラナカッタんですからねー」

 

この出来事で私はかなりのショックを受ける。

この出来事、事実は全然違います。

 

でも言えなかった…

言えるはずがなかった。

 

もやもやとしながらお店のオープンの時間になる。

いろんなことにもやもやしながら、私はこの日を境に

やっと周りを見始めるコトになる。

 

さてさてこの出来事の事実とは?

この後もいろんな出来事が巻き起こります。

 

気になる?

 

つーづーくー